ソコトラ島に関するガイドブックが存在しない中で
現地で気づいたこと、教わったことなどをとりまとめてみました
事実と異なる点もあるかもしれませんが、その際は遠慮なくご指摘ください
前編です、1~12はこちらをご参照ください
13.自宅の門扉はオーダーメイドで表札代わり
Custom-made gate for each family

ソコトラ島、というか
中東における一般家庭のご自宅は
日干しレンガに石積みの土色一色が多く
どれも似たりよったりであまり特徴がない
そんな中、唯一カラーが出せるのが門扉
ソコトラ島のご家庭の門扉は一つとして同じものがなく
すべて一点物のオーダーメードという

ソコトラ島にとって家の門扉は
日本でいう表札や家紋に等しいらしい
デザインは実に自由で
幾何学模様の個性的なものもあれば
りんごや果物など子どもが喜びそうな絵柄もあったりとさまざまです
14.犬がいない代わりにヤギがいる
No dogs, Many Goats

万国共通、
野良猫や野良犬はどこにでもいるもんだと思っていましたが
驚いたことに、ソコトラ島には犬が一匹もいない
その理由は、島の固有種や生態系を脅かさないためなのだそうだ
はるか昔、大陸が分断して生まれた島なので
その頃から犬がいなかったのか
それ以降、誰一人この島にたまたま持ち込まなかったのか
とはいえ、少なくとも猫はいる
数は数えるほどだけど

ソコトラ島の人口はおよそ5万人
それ以上に数を増やし続けるヤギたち
そこらじゅうにたむろっている

彼らは
ときにペットであり
ときに家畜であり
ときに食材でもある
そして、彼らにはそれだけでない重要な役割がある
それが「掃除機代わり」
15.掃除機代わりのヤギたち
Goats are replacement for vacuum

ソコトラ島の首都ハディボのまちは
お世辞にもきれいとは言えない
とにかく、街角にはゴミがおそろしいほど溢れている
しかし住民はいう
「これらはゴミではない、ヤギたちの大事な食糧だ
彼らが全部片付けてくれる
だから紙ゴミはそのへんに捨てていい」
つまり、ソコトラ島の人間にとって
プラスチック製のものがゴミらしい
プラゴミはさすがにヤギも食べられない

ヤギって本当に紙を食べるんだって
ソコトラ島に来てはじめて知りました
そうはいってもプラゴミも含めて
盛大に街角にゴミがあふれています…世界遺産の島なのに
16.住民の足はヒッチハイク
Hitchhike is public transportation

ソコトラ島には公共交通機関はないらしい
確かに空港にはタクシーの客引きもバスも見かけなかった
誰もが車を持っているわけではないので
必然、住民の移動はヒッチハイクが主流となる
住民の多くは顔見知りなので
信頼に値する人たちとして
スペースさえ空いていれば気軽に載せてあげるらしい
(ツアー用の四駆にはさすがに載せない)

公共交通機関はないって聞いていたのに
ハディボのまちに今にも崩れそうなワゴンが停まっていた
どうやら隣町まで走るらしい
何だ、あるじゃないか
とはいえ、旅行者向けではないのでおすすめできません
17.ナンバープレートも龍血樹
Car registration plate with Dragon’s Blood Tree

日本でも最近導入されているご当地ナンバープレート
例にもれずソコトラ島のナンバープレートも龍血樹
これはアラビア数字で数字が読めない

こちらはわかりやすい
ちなみに
もちろん絵柄のないシンプルなナンバープレートもあります
18.主食はホブスと米、魚料理
khubz and Rice with Grilled fishes

中東ではポピュラーな平たいパン「ホブズ」
ソコトラ島のホブズはクレープのように薄く平たく
パリッパリに焼けて香ばしい
小麦の甘さも感じられて、焼き立てはこのままでも旨い
これにカレーや野菜卵炒め、ダル(豆スープ)などをつけていただく
ちなみに肉料理は基本ヤギで
牛やチキンはほぼ出回らない

四方を海に囲まれたソコトラ島
もう一つの主食はご飯に魚料理
お米はインドからの輸入米らしいですが
魚は掃いて捨てるほど海で捕れるので
ご飯のおともにはたいてい食卓に並ぶ
魚は基本的に揚げるか焼くものであって
煮たり蒸したり、ましていかに新鮮でも生では食べない
「日本人は刺し身が大好きで、世界的に寿司が流行ってるんだヨ!」
と話したら怪訝な顔をされた
それぐらい、彼らにとっては想像もつかない異次元な食べ物らしい
調味料にまず醤油がないもんな…

デトワ・ラグーンでは
洞窟おじさんが自慢の海鮮料理を旅行者にもてなしてくれるのですが
採れたての新鮮なイカもタコも
ウニも帆立も牡蠣もムール貝もカニも海老も
焼いた魚以外はおじさん以外ほとんど関心示さなかった
ちなみに、
小さい頃から魚介類を豊富に食べている洞窟おじさんは
12人の子どもを持ってしても未だ性欲満点!と自慢してました
19.いつでもチャイ、おともにデーツ
Always chai with dates

中東ではおなじみのドライフルーツ「デーツ(ナツメヤシ)」
ソコトラ島では
チャイ(紅茶)のお供は必ずデーツ
そしてご飯のときでも
デーツと交互に食べたりしてとにかくデーツ大好き
そしてチャイは事あるごとに用意される
そしてこのおもちゃのような見た目のポットは
いつでもアツアツが出てくる、実はなかなか優秀なポットです
20.寿司メシを握るようにご飯を食す
Eating food with bare hands

ムスリムやヒンディーらは
基本食事は素手でいただくのがマナーですが
ソコトラ島の場合、
すし飯を握るようにして
具材と一緒に一旦手のひらでギュッとまとめてから口に放り込む
インド米はポソポソしててまとまりにくいので
ポロポロ床に大胆に散らかる
でも最後はちゃんとボールに水を入れて手を洗います
21.SIMナシ、WiFiは絶望的、そして停電
SIM Card, Wifi, blackout

旅慣れた人にとっては
現地SIMの入手は重要課題ですが
ソコトラ島の場合、通信会社が島になく
SIMの調達は基本、イエメン本土かドバイ(UAE)に行く必要があるらしい
つまり、通常は島の人間が本土へ行く際に
ついでに買ってきてもらったりするそうだ
そんなわけなので、
旅行者が現地SIMを入手するのは極めて難しい
(余ってたら売ってくれるかも、だそう)
ただし、ドバイのSIMならつながることもあるそうです
そして肝心なホテルWiFiは絶望的に遅い
テキストメッセージしか送れない
画像、動画のアップロードなんてもってのほか
しかし、実はまちなかに1軒だけネットカフェがあるという噂を耳にした
でも未確認
加えて致命的なのは日中よく停電するのでスマホやカメラの充電には要注意
(モバイルバッテリーと車の充電用ソケット重要)
22.参考物価
Commodity price

以下は、主な物価一覧
※イエメンレアル(YER)の実質レートは市場レートの約半分
- ミネラルウォーター500ml Mineral water: 150(約30円)
- チャイ1杯 Chai: 100(約20円)
- 一般的な朝食(2~3人前)Breakfast: 3500(約750円)
- ホテル1泊 Hotel per night: 15,000(約3200円)
- りんご1個 Apple: 150(約30円)
- オレンジ1個 Orange: 150(約30円)
- ティッシュ1箱 Tissue: 1050(約230円)
- アイスクリーム1カップ Ice cream: 300(約65円)
- 男性のターバン(スカーフ)1枚の平均 Scarf: 6000(約1300円)
- 腰巻き布1枚の平均 Mawaz: 18000(約3900円)
- ガソリン20L Petrol: 8,000(約1800円)
※地元ガイドに聞き取りしたものです、目安程度にお考えください
23.平均年収
annual income
大体1世帯あたり平均年収US$200ぐらいだそうです
安い…
24.ソコトリ語ミニ会話
Socotri language
※アラビア語も混じってるかもしれません
イレブック オ(ン)ラ ありがとう Thank you
ブスッウィットミッラ お願いします Please
アレイコムサラーム こんにちは、おはようございます Hello/Good morning
マヌアッグラァ (男性1人に対して)こんにちは Hello
ブッスミーラ (ご飯の前に)いただきます
エイィック (男性へ)お茶どうですか? Would you like some drink?
エイイックシェイ (女性へ)お茶どうですか? Would you like some drink?
シケールベ(ン)ネ とても良い、美味しい very good
シェバーク(men)/シェバーシュ(women) お腹いっぱいです Are you full or enough
シェーェット とても暑い It’s hot
ヤバン 日本 Japan
ヤバーニ 日本人 Japanese
アッタヘーロ 行きましょう Let’s go
以上、お楽しみいただけたら幸いです
続編あります
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前編です、1~12はこちらをご参照ください